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「とんでもなく妙だってね。
そこではショック療法をやってて、それは満月の下で眠るんだってね。
まったくばかげた話だ」と思っていた。
しかし、抗うつ剤もリチウムも精神療法も効果がなかったので、行っても損はないだろうと思ってやってきた。
最初の光治療は、病棟で行われた。
その時のことを以下のように思い出してくれた。
「三日目頃に、看護婦に言ったんだ『なんか変な感じだ。
頭がふらふらする。
何かが起こってるみたい』だってね。
その晩、光を受けて思った、これは良い気分だ。
二、三カ月が四日に縮まったんだな。
四日目には、看護婦に結婚してくれないかって言ってた。
そして五日目には、糸の切れた凧みたいに舞い上がってしまったよ。
」当初は懐疑的であったアランも、今では、光が自分に効果があること、それがプラセボ効果ではないことを確信している。
研究プログラムに沿って、光治療を止めてみると、そのたびごとに抑うつ的になった。
光治療を再開すると、その効果はただちに現れるわけではなく、一日、二日おいて改善が見られた。
光を長く使いすぎると、手足が痛くなり、軽疑で過活動になってしまった。
アランは光治療器を四年間にわたって使っている。
窓のない場所で仕事をする時に使う特別製の光治療器も持っている。
光治療を始めてから、定職につき、仕事をきちんとこなしている。
経済的な面で言うと、九ヵ月しか働かなかった頃と、十二ヵ月間働くようになってからでは、雲泥の差である。
友人もできて、交際も続いている。
「前は、他人を傷つけたり、失望させたり、とてもつき合う気がなくなるほど気分が悪かったりしたから、春になったらまたつき合いを始めなきゃならなかった。
」自分で楽しめるような趣味、日曜大工をやることもある。
興味深いことに、夏の噪症状で苦しむこともなくなってしまった。
たぶん、光の環境が季節を通じて、一定になったせいではないかと思われる。
気分が一年中おだやかになり、楽に生きて、先の見通しが立てられるようになった。
楽観的にものごとを考え、落ちついた、長期の人間関係が結べるようになった。
多くの人間が、季節に伴った気分や行動の変化を経験していることを、わかっていただけたと思う。
その変化は個人によってずいぶん異なる。
一方の端に、ほとんどこの変化を感じない人がいる。
もう一方に、ペギーやアランのように、季節がもたらす気分や行動の変化のために、生活が破綻してしまっている人もいる。
ニールは生活そのものが破綻してしまったわけではない。
冬の間は、無気力でもの悲しく、引っ込み思案で、生産性が落ちることはあったが、仕事やつき合いがまったくできなくなるわけではなかったし、自殺を考えたことはなかった。
これらの三人は、症状の重篤度を基準にして、SADと診断される。
アンジェラの場合、冬期の症状は軽症の部類に入る。
医療的な援助を求めることはないし、著しく抑うつ的ということもない。
しかし、冬期には無気力とけだるさのために、作家としての能力が損なわれてしまっていた。
SADという診断を下すほどの重篤度ではないが、俗に言う「冬のゆううつ」であり、より専門的に言えば「準SAD(subsyndromal SAD)」である。
診断的な違いはあっても、これらの人にはすべて光治療が有効であった。
ペギーとアランは正式の治療様式で光治療を受け、ニールとアンジェラは自分自身のやり方で、光治療をしていた。
ニールもアンジェラも、きちんとした治療を受けなかったために、いくつかの過ちをおかしたと自覚している。
ニールの場合、一日に長い時間、光を浴びすぎた。
その結果、軽噪状態になって、過活動でいらいらしてしまった。
試行錯誤の結果。
どれだけの光が必要か、ようやくわかった。
アンジェラの場合、光源から三フィート以内にいなければならないということを知らず、しばらくの間、光の十分な効果が得られなかった。
この章で述べた四人は、まったく違った何人かの季節に対する生理的、感情的変化を組み合わせて、それぞれの例を作り上げた。
これらの症状はSADに苦しんでいる人々に共通だが。
各個人の経験は、その人の性格や生活様式によって特色づけられる。
次の章では、あなた自身の季節性の度合いをどうやって評価するか、そしてあなたが光治療からなんらかの益を得る可能性があるかどうかについて述べよう。
「とっても寒いよ。
みんなきっと寒いんだろうね」とペゴティは言った。
「他の人より、私はもっと寒がりなの」とガミッジさんは言った。
チャールズ『デービッドーカパーフィールド』この会話の中に描かれている二人の特徴は、少なくともある意味で正しいと言えるだろう。
季節や気候の変化に対して、誰しも肉体的にも感情的にも反応を示すが、とりわけ強い反応を示す人がいる。
この敏感さは、しばしば気分や行動の変化という形をとる。
今まで述べてきたように、季節に対する反応の度合いは、個人差が大である。
SADの患者は、この季節に伴う変化をもっとも強く感じる人々もだが、一方ではこの変化をほとんど感じない人もいる。
この章では、読者であるあなたが、季節の影響をどの程度受け、どういう影響を受けているか、そしてSADや準SADと診断された人と比べてどうか、ということを評価する手助けをするつもりであったなら季節の杉響を受けているか国立精神保健研究所の同僚たちと私が、季節に伴う変化を測るための尺度の開発に着手して数年になる。
この質問は、季節性評価尺度(SeasonalPatteAssessmentQuestionnaire:SPAQ)と言い、以下に示したようなものである。
SPAQの妥当性については、多くの異なる母集団で確かめられている。
各個人の季節依存性はある程度遺伝的なものであるが、その人の居住地にもよる。
たとえばアラスカで明確な季節依存性を示した人が、ハワイではまったく問題ない可能性もあり、再現性のある正確な評価を得るには、ある気候のもとで継続的に居住していた一定期間、約三年ほどさかのぼって考える必要がある。
季節依存性は時が経るにつれて変化し得るものであり、最近のことは記憶が鮮明であるので、以下の質問に答えるに際して、一定地域に継続的に居住した最近三年のことを考えて答えて頂きたい。
季節性評価尺度(SPAQ)を回答する上での留意点この質問紙法は、あなたの気分や行動がどのように変化するかを明確にするためのものです。
すべてのチェック項目に答えて下さい。
他の人のことについて答えるのではありません。
季節性の程度を評価するための質問紙(季節性評価を改変−SPAQ,Rosenthal, Bradt, Wehrによる)この質問の目的はあなたの気分や行動の変化がどのように一年の間に変化するかを知るためのものです。
調子が良いのと悪いのは何月か、食事の量がもっとも多いのと少ないのは何月か、体重のもっともふえるのと減るのは何月か、睡眠時間がもっとも艮いのと短いのは何月か、つき合いが一番ふえるのと減るのは何月か、ということをたずねているプ調子がもっとも良いのと悪いのは何月かということをたずねることで、季節依存性のパターンを大まかに知ることができる。
その他の質問でSADに特徴的な他の症状についても情報を得ることができる。
十二月、一月、二月のどれかが、もっとも調子が悪いなら、あなたは冬期依存性のパターンを持っている。
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